「あっ…」



やっちゃっ…た…



ハッと正気に戻った時はすでに遅し。



手を放れたブーケは、あたしがジャンプしてキャッチできる範囲をすでに越えていて…



「あっ…」



落ちちゃう。



絶対、落ちちゃう。



………



イヤっ!!



あたしは床に落下していくブーケを見ることが出来なくて、バッと両手で顔を覆った。



せっかく先生がくれたのに…



花嫁のブーケなんて、ものすごいもの貰ったのに…



“落とした”とか、先生になんて言ったら…



そしてギュッと目を瞑った…



その時、



「っと、危ない!!」



「あ…。」



ん?



「あ~ビックリした。ってか、若菜。コレ…俺、取っちゃっても良かったの?」



「えっ?」
「へっ?」



あたしは顔を覆っていた手をゆっくりと放した。