白衣を脱いでも恋してる

「えと…」



「んだよ。」



「帰ったんじゃ…」



「は?」



頭に乗せられた何かを左手で支えながらバッと後ろへと振り返ったあたしの目の前には、やっぱり不機嫌そうに眉間に皺を寄せる先生。



「えと…」



「んだよ。お前、泣くほど俺に帰って欲しかったのか?」



「ちがっ!!」



「じゃあ、なんだよ。」



「それ…は…」



あたしはズイッと顔を寄せ、まじまじと顔を覗き込んでくる先生から逃げるようにパッと視線を逸らすと、少しだけ顔を背けた。