白衣を脱いでも恋してる

やっぱり…



引いちゃっ…た…?



えっ…待って。



そんなの…



ウソ…だよ…ね?



でもあたしの願いとは逆に、コツ、コツっと、遠くに離れていく足音が聴こえてきて…



帰る準備でもしてるのか、ソファーの足元に置いていた紙袋の擦れる音が聴こえてきて…



もしかして…



帰っちゃう…の?



本当に呆れられちゃった…の?



さっきまですっごくドキドキして、暖かくて、気持ち良かったのに…



あたしのくだらない一言でこれって…



そんなのって…



ないよ。



あたしは俯いたまま、再びジワリと滲み始めた涙を拭うことなくキュッと唇を噛みしめた。