白衣を脱いでも恋してる

「ふ~ん…恥ずかしい…ね。」



でも先生はそんなあたしなんてお構いなしにクスッと意味深な笑みを零すと、



「やっ!?」



さらにギュッと抱きしめてきて…



「ってかさぁ、お前…」



「っ!!」



「この涙…もしかしなくても遠藤に嫉妬?」



「ひゃっ!?」



「一丁前に嫉妬なんてしてんじゃねぇよ。バーカ。」



飲みかけのコーヒーをソーサーに戻すと、あたしの目尻に溜まったままの涙を拭いながら楽しそうに囁いてきて…



「……あと1ヶ月もねぇだろ?んなくだらねぇことで泣いてんじゃねぇよ。」



「っ!!……ん。」



耳元に鼻先を優しく擦り付けてきて…



先生…



絶対あたしで遊んでる。



あたしが恥ずかしがってるって分かってて絶対楽しんでる。



ハグもこんな激甘なセリフも欲しい時には絶対にくれないのに、



お願いしてない時…



不意打ちでコレって…



やっぱり先生、



意地悪すぎる…よ。



卒業するあたしへのプレゼント…



なわけないと思うけど、



いくらグズグズだからって、いきなりコレは…



心臓持たないよ。



あたしはドキドキと激しく高鳴る鼓動を抑えるようにギュッと目を瞑った。