白衣を脱いでも恋してる

でも、



「ってか、ぬるっ!!しかも、にがっ!!お前、コーヒー淹れんの下手すぎ。よくこんなんで雇ってもらえんな?」



「えっ…えと…」



「まぁ、お前だし…しょうがねっか。」



頭上から聴こえるコーヒーを啜る音に…



いつもの白衣とは違う、スーツに染み付いたほのかなタバコの香りに…



数秒遅れでドキンドキンと胸が高鳴り、ジワリジワリと体温が上昇してきて…



この態勢は嬉しすぎるけど、



うぅ…



そろそろ限界…かも…。



恥ずかしすぎる…。



「えと…」



「あ?」



「あの…セン…セ?」



「あ?」



「ちょっとだけ…離れて?」



「は?」



「………恥ずか…しい。」



あたしは左腕をガッシリと掴む先生の手に右手を置くと、指を離すようにギュッと力を込めた。