「あっ、ゴメンっ!!大丈夫?いや、大丈夫じゃないから泣いてんだよね。」



顔を伏せ、ポロポロと涙を零すあたしの両肩を掴みながら顔を覗き込んでくる由奈。



でも…



「大っ……っく…」



“泣き止まなきゃ”



そう思うたびに涙が溢れてきて…



“由奈が心配してる。泣き止まなきゃ”



そう思えば思うほど、自分の身勝手さに、情けなさに、涙が溢れてきて…



「……っく…」



あたしは頬を伝う涙を拭うことなく、間違いなく冷めてしまってるであろうコーヒーを乗せたままのシルバートレイをギュッとギュッと握りしめた。