相想相愛

「最初に見たのは、番組の打ち合わせのとき。
 20人くらい候補がいたんだけど
 優衣ちゃんの顔が忘れられなくて・・・」

自分の顔なんて見たことないから
かわいいかなんてわからなかったし
自分の顔なんて気にしたことがなかった。

でも、私・・・
かわいいの??

「・・・急になんて無理だよね。」
「いえ。私も大好きでした。」
「俺が?」
「はい。顔はわからない。
 直輝さんのファンがカッコいいっていってるのを
 聞いても顔やしぐさがわからなくて戸惑ってた。
 でも、声は私でもわかる。
 直輝さんの声は聞いてて心が和む声だから。
 だから好きになった。本気で。
 みんなは芸能人として好きかもしれないけど
 私は1人の人間として好き。
 みんなが無理って言っても私は・・・」
「両想いだったんだね。」
「・・・はい。」
「よかった。無理だと思ってた。」
「ココから先は私に告白させて下さい。」
「うん。」
「もし無理でなければ、付き合ってもらえませんか?」
「・・・よろこんで。」

奇跡が起きた。
直輝が、私の彼氏となった。
今までじゃ考えられなかった。
だって・・・
直輝は超売れっ子のアイドルなんだよ?