月の夢

「どれがお勧め?」

「これかな?」

青い小冊子を指さした。

その小冊子のページを開こうとした途端、先輩、と篠原くんに声をかけられた。

「少し話を聞いてもらえないかな」

「うん」

「できればここじゃなくて外で」

あたしは首をかしげた。

なんだろう。

込みいったことなのかな。

「あ、別に変な話じゃないから、緊張とかしなくていいからね」