ACID RAIN

後輩達は赤い水滴を流しながら走っているが、長靴をはいていない。
普通の靴にも酸に強い素材が使われているが、長靴ほど酸に強くない。どういうことか分かったであろう。

後輩達の靴が溶けたのである。
足も溶け出した。激しい痛みを耐えて、必死に走っていた後輩達だがついに走れなくなり、酸の海の中に倒れ込んでしまった。
強烈な音と煙をたて人体が溶けていく。声にならない叫びをあげながら後輩達は溶けていく。

俺は必死で走った。
振り返ることはしなかった。当然だ。あんなものはもう二度と見たくなかったのに。必死に走った。そして、団地についた。

「・・・ちくしょう」

涙が込み上げてくる。また、何もできなかった。外には酸の海。いや、血の海が。


 なんで、なんでこんな世界になってしまったんだ。地球の先人達が過度な環境汚染をしてきたからだと聞いたことがあるが、どうしてこんな世界になるまで放っておいたんだ。

・・・今さら何を言ったって変わるものなんかないけど。こんな世界にした人類がどうしようもなく憎い。



空には、濁った虹が架かっていた。