こいつ…
隠してるつもりだろーけど絶対黒沢だ!!

「黒沢…だよね?

お父さんなの…?
この人…」

「だ、だれだ?

黒沢って…」

あたしの言葉に、知らん振りをかます男。


「この絵を書いた人。

そしてその息子、黒沢葉のこと」

「さ、さぁ?

おれは黒沢なんて知らないけど…」

こいつ…
まだしらばっくれるかぁ~!!

「じゃぁ
あたしのことは知ってるよね!!」

あたしは男の腕を引っ張りながら言う。




「――だから、
俺は池内なんて知らねぇっての!!」