「はい。

チケット」

あたしは二枚あるチケットのうち、一枚を
知那に見せながら言った。

「へ…?

な、なんであるの??」

知那は、ポカーンと
半泣きになりつつ言う。

混乱のあまり半泣きになってしまったらしい。


知那め…

本当に忘れてやがる。

「金曜日。

あんたが自分で、チケット忘れるといけないから、って
あたしに預けたんでしょーが」


「…へ??」

一瞬ポカーンとした後、金曜のことを思い出そうとしている。


「あ!」

いきなり大きな声を出したかと思うと
笑顔で、あたしの顔を見る。