悠久と別れた私は





何も手につかず





ピアノの前で抜け殻のように





ただ時間を過ごす毎日を送っていた








何度も悠久に電話をかけようとしては携帯を開き





発信ボタンを押すところで踏みとどまる








『やっぱり別れたくない』





この想いを伝えたいけれど





伝えたところで





悠久の気持ちは変わらないことはわかっていた





あの日の悠久のあの瞳は





揺るがない強い想いを秘めていたから