ある日。


お嬢様の変化に気づいた領主様は、大層喜んでいらっしゃった。


お嬢様の笑顔は、私にだけでなく、少しづつ少しづつ広がっていく。


ある日の晩餐会で、隣国の親戚貴族を招いた時も、それまで暗く曇った表情しか見せなかったお嬢様が、笑顔を見せたり、話す者の目を見て聞いたりという仕草が目について、それを来賓達が領主様に口々に申すので、領主様は気を良くして喜んだ。


「愛らしい素敵なお嬢様ですね」


そんな言葉も掛けられた。


陰日向で萎れていた花が、太陽の光を目一杯浴びるようになったかのように、お嬢様は日に日に見事に蕾を開いていった。


若い娘とは、恐ろしい程に美しくなる。