「ご機嫌麗しく、お嬢様」

笑顔で私を迎えてくれる事。

これも幸せかしら。


「先生・・・」


「はい」


「ありがとう」



先生は微笑んだ。


いつものように。


うん、私、ジョセフの笑顔を見るのが好きだわ。


「私、先生の笑顔を見るのが、好き」


少し驚いた顔をして、でもすぐにまた口元を緩める。


ふっ、と小さく息を溢して貴方は私に囁いた。



「私も、お嬢様の笑顔を見れたら幸せです」


そう言われて初めて、気が付いた。


私、あまり笑わなかった。


窓の外を眺めて、憂えてばかりいたから。


だけど、ジョセフがそう言ってくれるのなら―・・・