私が必死に勉強をするのには訳がある。

嫌いなら、わがまま言ってやらなければいい。


普通の令嬢ならそうするわ。

舞踏会で会った子達はそう言っていたもの。


でも私はイヤ。


勉強から逃げて、わがままなお姫様になるのは嫌なの。






私は窓を見つめる。

外を眺める。


美しい庭があって、その先には石垣と背の高い木々が並ぶ。


囲まれた、安全なこの敷地の外を

私は知っていた。