君に…

校門を出ると風が強く吹き思わず

『さむっ』

体が震えてしまった。

「ん?薫寒いか?」

『うん』

あたしがそう言うと、雅玖はいきなり
今まで自分の首に巻いていたマフラーを
あたしの首に巻く。

「これで寒くないか?」

『寒くないけど雅玖が寒くなるよっ』

「俺はいいって」

『でも…』

「なら、薫が俺にくっついていれば寒くねぇよ」