泣かない約束

 どうやら彼女が僕へのお土産だったらしい。

 彼女の親はどっかの社長らしく、夏休みにこのおじさんの所に預けられるらしい。

「おい信人。結衣ちゃんと海に行ってきなさい。」

 僕は無言のまま玄関で待っていると、向こうから彼女が来た。

 あの時の事はよく覚えていいる。

「かっ、かわいい。」

僕が初めて女の子に発したこの言葉が自然に出てきたからだ。