同棲っていいことだけじゃない。

大学も学部は違うけれど、一緒。
家でも、一緒。

初めの1ヶ月は幸せだった。

大学に慣れ始め、周りに友達ができてくれば、勿論心のことを知る人が出てくる。

あの容姿で目立たない訳がなく。
何度美人でスタイルのいい女の人に絡まれたか…
その度に落ち込んで、落ち込んで。
大学生になってまで絡まれるとは思わなかった。


それに一緒に暮らせば相手の行動一つ一つが気になってしまう。

遅くなる。
誰と誰とでご飯を食べてくる。
誰と遊んでくる。

ねぇ、それは本当?
本当は…


….…なんか、老けた。
そして、性格悪いなぁ。私。

右手の薬指に嵌った指輪にキスをする。


「なぁ、何不貞腐れてるんだ?ソレにキスするなら俺にしてくれよ。」

「……やだ」


だって、指輪は美人さんを惹きつけないし、ご飯を食べない、遊ばない、私の側にいてくれる。

なんかやだ。こんな私。


「やっぱしたい…」

「――ん?」

「したい…キス…」

「――おいで…」


でも、これが本当の恋。
だから私は心を信じて本当の恋を彼としたい。

例え、性格が悪くなろうが、老けようが。


「――葵、愛してる…」


私は藤森 心を愛しています。






*おまけ*もEND。