「……」
「悪かったって。」
私は15畳あるリビングのソファーに座り、目つきを鋭くする。
「口元緩んでる。」
睨む先は、フローリングで正座し反省する"フリ"をする人物。
私の指摘に慌てて口を結ぶ。
「なんでいるの、しんちゃん。」
呆れる私に、意地悪い笑顔を浮かべた心は
「同棲。」
と、ケロッと言った。
「………」
口をポカーンと開ける私に
「何か飲むか?」
飲み物を勧める心。
私は心の胸倉を掴み
「何考えてるのぉぉ!!」
力いっぱい揺すった。
「--あ、お…はな、せ…」
苦しそうに顔を歪めた心を見て我に帰った私は、パッと手を離し「ごめんなさい」と謝った。
「---げほっ、はぁ…」
噎せる心の襟元は伸びている。
「驚かせて悪かったな。」
落ち着いた心は、乱れた服装を直し私のソファーの横へ腰を下ろした。
「っで、何から聞きたい?」
横から聞こえた声に視線を向けるとバチッと視線が交わった。
「えっ、えーと、なんでいるの?」
鼓動が早くなるのを感じながら言葉を発する。
「だから同棲。」
口数が少ない心の言葉は理解しにくい。

