「あ、あり…-」
嬉しくて、
凄く嬉しくて…
「なーんで泣くかな。」
「---だっ、て…グスッ…」
「いらなかったか?」
ブンブンと頭を左右に勢いよく振る。
頭を振った勢いで目尻に溜まった涙が頬を伝い流れた。
「馬鹿だな」
「はぁ…」と溜め息を吐いた心は、そっと私を抱きしめた。
「騎馬戦3年連続勝利、その時のハチマキ3年ぶん。」
「--ぅ…」
「取っといて正解だったな。」
「--ふぇっ-ッ…」
ポンポンっと頭を撫でられ、手の温もりに涙が止まることなく溢れ出る。
「まぁ、取っとけ。」
そっと離れた心は「じゃぁ、帰るな」と言い踵を返した。
「あっ、しんちゃ…--」
「ん?」
少し離れた場所で振り返った心に
「ありがとう。気をつけて帰ってね!」
笑顔で手を振った。
「おー」
手を挙げ、再び歩き出した心の背中が見えなくなるまで見送った。
私は今日、沢山の物を貰った。
指輪に、ボタン、ハチマキ、セーター。
大切な宝物--…。
宝物、、END

