「じゃぁ、心ちゃんはブランケット使ってね。」
心のブレザーに腕を通し、心の匂いに包まれた私は上機嫌。
座っていた私は、立ち上がり制服に付いた芝生を手で払い、既に帰る支度が出来ている心にブランケットを渡した。
水色に桜が刺繍されたブランケット。
片手で受け取った心は、
「--ひゃっ!」
私を抱きしめた。
驚いた私が体を固くするのにはわけがあって…
「ちょっ、しん、ちゃ…
お、し…お尻!!」
後ろに回った手がいやらしい手つきで尻を撫でる。
「感じてんだ?」
「--っ…」
耳元で囁かれた私は、顔を赤く染めた。
「--ちが…」
耳を手で押さえ、真っ赤になった顔で心を睨み付ける私に、
「ばーか。」
ニヤリと口角を上げた心。
そして、
太ももに感じる軟らかい感触。
「スカート短すぎ。」
「へ?」
「風邪引くから巻いてろ。」
「えっ、まっ…」
心は、地面に置いてある自分の荷物と私の荷物を持ち、私の手を引き歩きだした。
ゆっくりとした歩調は、きっと私の歩幅に合わせているから。
心がスカートの上から巻いたブランケットがあるため、私の歩幅は狭くそれに合わせて歩いてくれる心に頬が緩んだ。
ブカブカのブレザーに、スカートの上にはブランケット。
周りから見たら変な格好だと思うが、私は心の優しさが嬉しくて気にならなかった。

