寝ていた心は、上半身を起こし
「目ぇ閉じて。」
目を閉じるよう促した。
「それと、左手出して。」
有無を言わせない瞳に、私は何も言わずに目を閉じた。
左手を心の前へ差し出して-…
少しすると「開けて」と言われ、そっと目を開けた。
「--えっ…」
差し出した左手を見て驚き、心に視線を向けた。
「ねぇ、俺と付き合わない?」
「---ぅっ…ぐすっ…-」
あの時と同じ言葉に、涙が溢れ出した。
勢いよく頷く私の左手に重ねた心の右手。
「--ひっく…-さ、"桜色の糸"…」
「あぁ、もう一度この場所でやり直そう。」
重なった手の小指には、切れたはずの"桜色の糸"で繋がれていた。
「堅結びしたからもう外れねぇぞ。
もうぜってぇお前を離さねぇ…」
耳元で囁いた彼は、私の長い白に近い金色髪を掴み
そっとキスをした--…
END