「ありがと…」 私の声が健吾に聞こえたかは分からないけど、最後に「じゃぁな」と言った健吾の声は聞こえた。 私は走りながら、何度も健吾に「ありがとう」と胸の中で呟いた。 逃げるだけの私の背を押してくれて――… --健吾、本当にありがとう…