今、心を見たら気持ちが揺らいでしまいそうで、心に背を向けた。


「私は、帰らない。
私は、健吾とつき…-っぅ…」

背中に感じた温もりに、落ち着いた心臓が再び暴れだした。


お腹に回る心の腕に力が込められ、身をよじっても腕を剥がそうとしても少しも緩むことはなかった。


「--やっ、や、だ…はなして…」


--このままじゃ私…



気持ちが溢れちゃう…-



暴れる私をガッチリと押さえ込む心。


「私は健吾のも…-「あお…」」


耳元で囁かれ、ビクッと肩を上げ動きを止めた。


「それ以上言ったらマジでキレれる。」




「なぁ、俺は何度お前を手放せばいい。」


「……」


「手に入れたと思ったらいなくなり、手が届きそうな時にいなくなる。」


「……」


「前に追いついてこいって言ったよな。」


「……」


「いつになったら過去を忘れて、今の俺に追いついてくるんだ?」

「……」


「俺の気持ちは報われるのか?」


「……」


「お前は…


あおは…


俺への気持ちは少しも無いのかよ!!」


「……」


「なぁ、答えろよ!!」


「……」


「答えてくれよ…」


肩に顔を埋めた心。

私の頬には一筋の涙。


心の悲痛の叫びに、胸が痛くなった…