ドアが閉まると同時に感じる温もり。
ドックンドックンと早く脈打っていた心臓がトクントクンと落ち着き始めた。

大丈夫…大丈夫…
アレは過去のこと。


「ごめんな…」


健吾は抱きしめたまま首筋に顔を埋め小さく呟き、腰に回している腕に力を入れた。


私は「大丈夫だよ」と言い、健吾の胸に額を預けた。

額に伝わる鼓動。

健吾の鼓動に合わせるように、私の鼓動もゆっくりと脈打つ。




--ねぇ、しんちゃん。


今どうしてる?


私がいなくなって、少しでも淋しいって感じてくれている?


---私は…


私は、しんちゃんとは違うこの温もり、この匂い、この鼓動



この人と…





健吾と付き合っています-…