「あそこのドアは何?
なんで泰が関係あるの?」
「あのドアは、エレベーターを降りた時にあったもう一つの部屋に繋がっている。
それに、さっき葵が見たのは泰だ。」
「……」
泰を見て固まる私に、
「今度、相手してあげる。」
泰はニッコリと笑った。
もちろん言った後に、泰はソファーに沈んだ。
さっき私が見たのは、男が女の胸に顔を埋めている…
ピーーーの最中を目撃した。
思い出すだけで、顔に熱が溜まり頬を染める。
頭から最中の映像を追い出そうと、頭を左右に勢いよく振り、気持ちを切り替え、貰ったペットボトルの水を喉に流し込んだ。
冷たい水が喉を潤し満足した私は、改めて部屋の中を見渡した。
さすが最上階のマンションは広く、リビングだけでも30畳以上ありそうだ。
若田達は話をしていたため、1人で散策に出かけた。
リビングに、ダイニング、広いオープンキッチン。リビングにはドアが4つあり1つは若田の話に出てきた、隣の部屋に繋がっているドア。
--勝手に開けていいかな…
好奇心が勝り、3つのうち、左のドアに手を伸ばし…
「そこ、俺の部屋。
開けてもいいけど、開けたと同時に部屋に押し込めて、あぁーんなことや、こぉーんなことしちゃうからね?」
…背後に立つ柳の言葉に、伸ばしていた手を引っ込めた。

