金髪の君*完結




「--あっ!」


重要なことを思い出し、私は慌ててソファーから降りた。
ソファーから降りた私を、不思議そうに見る男3人。


「遠慮しなくていい。
座ってろ。」


若田は私に座るように促したが、私は頭を左右に振った。
若田は、そんな私を横目で見て「好きなとこ座ってろ」と声をかけ、キッチンへ向かった。



「あっ!!」


いきなり叫んだ柳の声は、リビングに響き渡った。

その声に、反応した私達は声の主に視線を向けた。


「分かった!」


ニコニコ笑う柳に、


「ん、水。

っで、何が分かったんだよ」


若田はビールを口に含み、片方の手で水の入ったペットボトルを私の前に差し出した。



「葵ちゃんが、ソファーに座らない理由。
ずばり!!ソファーでイチャイチャしてたシーンを見たからでしょ!?」


ニコニコからニヤニヤの笑顔に変わった柳に苛立ったが、苛立ちよりもさっきの光景を思い出し、ボッと顔に熱が集まった。


「葵ちゃん、真っ赤!!」


そのニヤニヤ顔、殴りたい。

真っ赤な顔を両手で隠しながら、柳を睨み付けた。


「はぁ…、ソファーでやるなって言っただろ。
やるならあっちでやれ。」


若田は泰から視線をドアに向けた。


「あっち行くの怠い。」


「鍵開けるついでに、あっち行け。」


話しに着いていけなかった。