20分の観覧車を2回乗り、40分も乗りつづけた私のお尻は限界で、ゴンドラから降りる時はお尻を庇いながら降りた。
ゆっくりと降りる私を置いて、2周目の代金を払った心。
「しんちゃん、お金払う!」
お尻を庇いながら歩く私の耳元に口を寄せ
「いいもん貰ったからいらねぇ」
囁き、私の口に親指を這わせた。
ドクンッと胸が高鳴り、熱が顔に集まった。
口角を上げ、笑う心にからかわれたのに気付いた。
心は、私の手を引き歩き出した。
「ねぇ、しんちゃん?」
「あ?」
歩を止め、振り返った心に
「かずくんの退院、皆で祝おうね!」
笑顔を向けた。

