私の隣に座った心は、言葉を発する事はなく、ゴンドラの中は静まり返り雰囲気が暗い。 「なぁ」 心が言葉を発したのは、頂上を過ぎ少ししてからだった。 「何?」 言いたいことを言ったからか、私は冷静だった。 「キスして悪かった…」 「えっ?」 ---キスして悪かった…? 冷静だった私は、心の一言で心臓がドクンッドクンッと嫌な音を奏でた。 「あお、顔あげて?」 優しく言う心に、逆に不安になる。 ゆっくり顔を上げた私は、きっと酷い顔をしていたと思う。 私の顔を見た心の瞳が揺らいだ。