「あお…」 「……」 「頼むから…」 「……」 心に背を向け俯いたまま動かない私に 「こっち向けよ!!!」 苛立ったのか、無理矢理私の体を自分の方に向けた。 「なんで止めたか!? こんな暗い中、1人で帰すわけねーだろが!!」 「なんでキスがうまいか!? お前に振られてお前を忘れるためにいろんな女を抱いたんだよ!!」 「なんでキスしたか!? それは--…」 逆切れし、私の両腕を掴みながら声を荒げる心は、途中で言葉を切った。 続きを言わない心が気になり、俯いていた頭をゆっくりと上げた。