「--あお…」 後ろから感じる心の気配に、息を殺した。 「あお」 2度目の呼び掛けにも答えない私に 「こっち向いてくれ…」 心のか細い声が聞こえた--… 「--っ…」 心の声を聞き、自分が言った心への罵声を後悔した。 振り向いて謝らないと… 頭で分かっていても体は動かない。 (嫌い!しんちゃんなんか大っ嫌い!!) 自分が言ったことを否定しないと… あんなに罵声を浴びせて、どんな顔して振り返ればいいの?