「うわぁー!!海ぃ!」


臨海公園の駐車場に着き、駆け出した私に


「転ぶなよ。」


一言声を掛け、潮風で舞う白に近い金髪を靡(なび)かせながら私の後ろを歩く心。

怠そうに歩いているのに絵になるのは元がいいからで、その姿に胸が高鳴るのは、きっと私だけじゃない。

周りを見ると、女性からの視線は心に集中していた。


子供から大人まで。

幅広い年代を虜にしてしまう美貌に羨ましいくもあり、悔しいくもあり、悲しい。

好きな人がかっこよくて人気があるのは複雑な気分。



「しんちゃん!早く!!」


大きな声を出す私に、広角を上げ笑う心。



今日だけ、その笑顔は私だけのもの。