目を閉じた一樹は、少しの沈黙の後
「俺のこの怪我は」
話を切り出した--…
「未来を助けた時に負ったんだ。」
一樹の言葉で病室はシーン静まり返った。
「た、助け、て…?」
ドクンドクンと心臓が暴れ、嫌な予感がする私の声は震えていた。
「うん、あおちゃんに言おうか悩んでたんだけど…
ちゃんと現状を把握しといた方がいいのかなって思って。」
「現状を把握…?」
「単刀直入に言うと、今日…--今日だよな?」
話の途中で壁に掛けてある時計に視線を向け、時間を確認した一樹。
「ごめん、話戻すね。」と言い、真剣な顔付きになった一樹を見て、ピシッと背筋が伸びた。

