「うん、うん、受かったよ。」 「ありがとう。」 電話をかけると1コールもしないうちに電話に出た母に、驚きつつも大学に合格したことを伝えた。 電話先で喜ぶ母に "寂しくなるね" と言われ「だね…」としか答えられなかった。 視線の先にあるT大学と書かれた封筒。 大学名の下に書かれている住所は今の住んでいる県から5つ離れている県。 いつの間にか切れていた携帯をリビングのテーブルに起き、ソファーに深く腰掛けた。 白い天井を眺めながら 「--また引っ越しか…」 ポツリと呟いた--…