走りながらいつの間にか溢れ出ていた涙を手で拭う。 1階の渡り廊下を渡るときに目に止まった中庭の桜の木。 上履きのまま中庭に出て桜の木に抱き着く。 「ふぇ、うぅぅ…」 桜の木を離し、崩れる。 保健室での行為が頭を巡り 「い、嫌ーーー!!」 泣き叫ぶ。 「ふぇ…しん…ちゃん…」 しんちゃん、しんちゃんと空に向かって呟く。