「でさ、俺葵のこと気に入っちゃったんだよね~」
いつの間にか隣に立ち、肩に腕を回し顔を覗き込む男にゾワリと鳥肌が立つ。
「そ、それ、はちょっと…」
目を見つめてくる男の視線から目を逸らす。
「ふぅ~ん…じゃぁ入院中の彼氏はどうなってもいいんだ?
俺さぁ、大八木高校仕切ってるんだよねー。ちなみに高二。」
ニヤニヤ笑いながら言う男に吐き気が込み上げる。
「---っ…」
"大八木高校"は地元で一番ガラが悪く不良高。
勝てないのが目に見えてる。
「ど、どうしたら…」
「う~ん、まずは別れて。」
恐怖で溜まっていた涙が男の言葉によって溢れ出した。

