金髪の君*完結




手を繋いだまましゃがみ込んだ私に引かれ、心も私の横に座った。


手を離すタイミングを失い、そのまま手を繋いだまま。
緊張と夏の暑さで手の平は汗がびっしょり。


どうやって手を離そうか悩みながら岩ギリギリまで来る波を眺める。
小さな波に大きな波。
大きな波が来ると岩を乗り越え、岩の上を濡らす。
私達がいるところまでは来ないが、今以上に大きな波が来たら危険な場所。
だけど、透き通った綺麗な海が目の前で見れて恐怖よりも興奮する。


海をボーッと眺めていると岩場の端から小さな赤い物体が出てきた。


「あっ!」


心と手を繋いでいたのを忘れ、赤い物体にゆっくりと近付く。