金髪の君*完結



「行くか。」


心は私の手を取ると岩場の方へと向かって歩きだした。


握られた手を見ながら心の一歩後ろを歩く。
大きくなった心の手、昔と変わらず温かい…


足場の悪い岩場を心に支えられながら下りていく。
滑る足元にドキドキと緊張しているのか、それとも滑る度に私を胸へを引き寄せる心に胸が高鳴っているのかわからない。


多分、後者だと思う。


ドキドキと高鳴る胸と滑る岩場と格闘して数十分。


「はぁ、つ、ついた…」


平らで大きい岩の上に腰を下ろす。
炎天下の中、神経を研ぎ澄まし下まで下りた私は肩で息をしていた。