腕を離させ、視界は明るくなり匂いも温もりも離れていった。 淋しさを振り払い、目の前にいる彼に視線を向ける。 交わる視線。 白に近い金髪は塗れていて、頭のチョンマゲを含む髪からは水滴が垂れている。 抱きしめられている時には気づかなかったが、体も塗れていた。 気付かないほど、自分が焦っていたのかがよくわかった。 塗れて色気が増した彼をジッと見つめる。 "水も滴るいい男" 今の心は正しくそれだ。 心が動き、距離が離れたことによって彼に魅入っていた私は我に返った。