俯き視線の先にはシートベルトの接続の部分。
運転席からスッと手が伸びてきてシートベルトのボタンをカチッと押した。
シートベルトが外され締め付けがなくなる。
ボタンを押した手はそのまま上へと動きだし私の頬を撫でる。
その手に誘導され、ゆっくりと顔を上げてしまうのは昔の癖。
顔を上げ視界にうつる彼。
口角を上げ笑う彼にドキッと胸が高鳴る。
彼に見入っていると
「顔あけぇ」
「--っぅ…」
彼の一言で意識が戻り、慌てて顔を反らした。
そのまま足元に置いてあった鞄を持ち、ドアに手をかけ彼の方へ顔だけ向け
「運転お疲れ様!!」
怒鳴るようにお礼を言い、勢いよく外に飛び出た。

