「起きたのか?」 「うん。」 首筋から顔を上げる。 「降ろして?」 周りを見ると私達に視線が集まっている。 恥ずかしくて顔が熱を持ちはじめた。 そっと腰を下ろした心の背中からゆっくりと足を地面に付け降りる。 足に力を入れ立つとフラつく足元。 「−−あっ…」 転びそうになったところを心に腕を捕まれ免れた。 「ありがとう。」 頭がガンガン痛むが我慢し、笑顔でお礼を言う。 「あぁ。」 心は腕を掴んだまま駅に向かって歩きだした。 「えっ?えっ?」 覚束ない足で心に引きずられながら歩く。