−−−少しだけ…


大好きな彼の温もりと匂い。
首に回した腕に力を込める。
彼を抱きしめるように優しく。


「−−好き…」


彼の首筋に顔を埋め、小さく呟いた。
反応を見せない彼。
周りの声で聞こえなかったみたいだ。

ホッとする気持ちと残念な気持ち。
私はどうしたいのか分からない。

彼の手を離した私が好きだと伝えても拒否されるに決まっている。
今のままの関係が1番いいのかもしれない。


ポッカリ開いた心はこの先塞がることはきっとない。
だけど、こうやって彼の傍にいれるだけで十分満たされる。


−−−心ちゃん大好き…


胸の中で呟き、もう一度腕に力を入れ


「−−しんちゃん…」


彼を呼んだ。