美穂の言葉に静まり返った教室。
そんな静寂を破ったのが
「はーい、通知表配るよー!」
「うげーー!」
「いやだぁー!!」
担任と、通知表の言葉に反応したクラスメート達だった。
西山先生は皆に席に着くよう促し、椅子ごとひっくり返っている銀にめもくれず通知表を配りだした。
名前を呼ばれる度に教室内から聞こえる悲鳴と落胆の声。
S組だから赤点はないだろうが、落ち込んだ顔をしている生徒は成績が落ちたんだろう。
先生に名前を呼ばれ、通知表を受け取り席に戻り確認する。
後ろの席から『はぁ』と何度も溜め息を吐く声が聞こえるが聞こえないフリをする。
通知表に目を通すと5と4の数字が並んでいる。
5段階評価みたいだ。
−−う〜ん、音楽が4か…

