不意に頭を上げたｱｯｷｰから手を引っ込める。
頭を上げたｱｯｷｰの顔には、目が充血していて涙が流れた跡がくっきりと残っている。


｢後悔はしたくないよ…

だけど、怖い…｣


弱々しい声で話すｱｯｷｰ。


｢ねぇ、ｱｯｷｰ。｣


今まで黙っていた美穂が話かける。


｢見猿･言わ猿･聞か猿だよ。｣


｢−−はい？｣


美穂の言葉が理解できなくて、思わず聞き返してしまった。


｢だ・か・ら、見猿･言わ猿･聞か猿！｣


ｱｯｷｰも意味が分からなくて頭を傾けている。


｢猿じゃないんだから、彼を見て、言いたいことを言って、ちゃんと気持ちを聞けってこと！｣


｢………｣

｢………｣