金髪の君*完結



「あおちゃん…」


私の心情が分かったのか、寂しそうな顔をする一樹。


「あおちゃんの気持ちはよくわかる。
だけど、羽山さんは銀の試合を見たいんじゃないかな?」


そう言い、少し離れた場所にいる美穂へと視線を向ける一樹。
一樹につられ、美穂を見ると女子の群れを見つめていた。



「−−わかった…」


−−−美穂が喜ぶなら…


「ありがとう!」


笑顔で言う一樹は「銀が喜ぶよ!最近あいつ元気ないから。」と付け加える。
小さな声で「心もね…」と呟いた声は耳には届かなかった。