金髪の君*完結



「あおー!!」


目が合い手を振る彼に、小さく手を振り返す私。


女子部が体育館を使えない時は筋トレだけで早く終わる。
部活が終わった後に、体育館でやっている心の練習をよく見にいったっけ。


「フフッ、懐かしいね。」


昔のことを思い出して自然に出る笑顔。


「じゃぁ、見学してくれる?
女子は試合まだでしょ?」


「かずくん…
あのね、昔と今じゃ状況が違うんだよ。」


チラッと女子生徒の群れを見る。
中学の時は、恋人同士の私達は生徒公認の仲だった。
だから心の練習を見に行っても何も言われなかった。
だけど、今は恋人同士でもないし周りの生徒達は付き合っていたことすら知らない。
そんな私がで図々しく試合が見れるわけがない。