肩を落としていると、笛が鳴り前半が終わった。
「あおちゃーーん!」
女子達に囲まれた中から聞こえる声。
「ちょっとどいてねー」
野次馬を掻き分け出てきた一樹。
「あっ!やっぱりあおちゃんだ!」
そう言い、人懐っこい笑顔を見せる一樹。
「どうしてわかったの?」
「ん?
中から、あおちゃんの頭が見えたからだよ。」
−−頭で分かるの…?
思ったことが顔に出ていたのか
「気づいたのは俺じゃないよ?
心が最初に気付いたんだよ。
あいつ、あおちゃんに関しては五感が鋭くなるから。」
クスクス笑う一樹をよそに顔を赤くする私。

