ピストルと声援が響く度に走者が減り、順番が近くなる。
緊張のあまり固まる体。
−−−パンッ!
再び鳴り響いたピストルの音。
「男子、終わったね。」
前に並ぶ美月が振り返り話し掛けてきた。
「あー、うん。」
緊張のし過ぎで周りが見えてなく、男子が終わったことに気付かなかった。
「うちのクラスの男子、惜しかったね〜!」
「えっ?
何位だったの?」
「はぁ?高橋さん見てなかったの?」
「う、うん…」
「木村が2位で、大森が3位。」
「惜しいね…」
「だよねー!
私達が巻き返さないとだし!!」
「あははは…」
グラウンドに指定のジャージを着てフルメイクのギャル、そんな美月を見て渇いた笑いが出た。

