「待って! そっち、校舎じゃない!!」 スタスタと歩く彼に引かれながら小走りでついていく。 校舎を背にして歩く2人。 後ろから聞こえるチャイムの音。 −−あぁ…授業始まっちゃった。 諦め、先を歩く心を見る。 急に止まった心に驚き、足を止める。 目の前には心の背中と古びた建物。 錆びたドアに木造の小さな建物。 滑りの悪いドアを横にスライドするとギギギ…と音をたてながら開く。 ドアを人が1人通れるだけ開き心は中に入っていく。 腕を掴まれてる私も心の後に続き中に入る。