第三者の声で男は近付くのを止め、手を緩めた。

その瞬間…



−−−ドガァ!!




男は目の前からいなくなっていた。




「−−−うぅ…」



苦痛の声が聞こえ目を開け声の主を見ると、右の脇腹を抑え地面に倒れていた。




−−えっ?



驚き戸惑っていると。




「うせろ。」




懐かしい匂いと声が聞こえ、我慢していた涙が流れる。


倒れていた男は


「−−チッ…」


舌打ちをし逃げて行った。


凶変した男に恐怖し震える。